インプラント治療に革命を起こす最新情報!−中垣歯科医院

インプラント治療に革命を起こす最新情報!世界初、もちろん日本初の最新情報です。

金属を使わないメタルフリーの最新のジルコニアインプラント(セラミックインプラント)の研修にドイツのハンブルクに行ってきました。(2016.11.2潤オ2016.11.3)

【骨溶接=Bone Welding】という世界初最新技術!

主流の”ネジ込み式インプラント”ではなく 《ジルコニアインプラント》 と 《骨》 を強固に”溶接”する 【骨溶接:Bone Welding】という世界初最新技術

2016年11月にドイツのハンブルグにおいてスイスのZ−systems(ゼットシステムズ)社製のジルコニアインプラント(金属を全く用いないセラミックインプラント)であるZirkolith(ジルリッツ)の最新式インプラントの研修に行ってきました。

ジルコニアインプラントを顎骨に埋入し、植立する手術の後の初期固定を強化する画期的なシステムです。
現在のインプラントは金属のチタンインプラントであろうが金属を全く用いないジルコニアインプラントであろうが骨にボルトのようにねじ込む方法が主流となっています。
しかし、生体分解性のポリ乳酸(生体に極めて安全な植物(ジャガイモ)由来の天然成分)を用いて骨とジルコニアインプラントを強固に溶接して固定するBoneWelding®という世界で初めての方法です。

ポリ乳酸は徐々に吸収され骨と置き換わります。
ポリ乳酸の半減期は290日で870日で完全にポリ乳酸は吸収され骨と置換されます。
骨とジルコニアインプラント体は強固に結合(オステオインテグレーション)します。
Weldingとは溶接という意味で、「BoneWelding」とは骨の溶接という意味です。
元々はスウォッチの時計、IKEAの家具、BMWの自動車などの溶接に使用されていた技術です。
医学では整形外科領域の手術に応用されていた技術で、これを歯科で初めて歯科治療の領域に導入したものです。

通常のインプラント治療では、金属のチタン製であろうが、非金属のジルコニアであろうが抜歯した後の穴がふさがって骨ができるまで数か月待ってからインプラントの埋入手術を行います。そして、インプラントを骨に埋入し、植立した後、インプラントが骨と結合するまで数か月間力がかからないように固定しておかなければなりません。しかし、BoneWelding®という技術を用いると抜歯したと同時にインプラントを埋入し、ポリ乳酸で骨に溶接し、強固に固定を行うことができます。
そして、その日のうちに仮歯まで入れることができます。抜歯を伴わない単なる欠損部位なら、インプラントを埋入後、歯肉の状態が良ければ最終補綴物まで入れることもできます。
インプラント治療に革命を起こす技術と言っても過言ではありません。

Dr.Ralf LuettmanによるUltrasonicインプラント埋入Ope2症例見学(Dr.Ralf Luettmanの歯科診療所にて)
Dr.Ralf Leuttmanは初代セレック(現在は3世代目)の開発にも携わり、いち早くノンメタル治療を実践し、15年にわたり金属を使わないセラミックインプラントにおいてリーダーシップをとってきた、ノンメタル治療の第一人者です。
現在はZ-systems社のジルコニアインプラントの開発にも携わっています。

5人が2組に分かれ2症例を交代でOpe室での実際の見学と別の部屋のモニターで映像のライブで見学をしました。


Ope後、クリニックのセミナー室で症例についての講義を受ける。


2日目、ドイツのHamburgの宿泊しているHotel Business & More の2F会議室において世界初Bone Welding®による 金属を全く使わないジルコニアインプラントの研修を受けました。


Dr.Ralf Luettmannに直接指導を受けました。

ねじ込み式

ねじこみ式従来型のねじ込み式のインプラント

金属性:チタンインプラント     
非金属性:ジルコニアインプラント

骨溶接

骨溶接最新型ジルコニアインプラント

ねじ込み式でない最新式の骨溶接式ジルコニアインプラント
ジルコニアインプラント体が筒状になっており、先端部に横向きに穴(赤矢印)が2つ開いている。

骨(黄土色:骨の模型)に埋入された筒状のジルコニアインプラント(白色)内にポリ乳酸製ロッド(無色透明の棒)を挿入

ポリ乳酸製ロッド(無色透明の棒):生体内で100%分解される極めて安全性の高い植物(ジャガイモ)由来の天然樹脂
吸収されながら骨に置換されていき
870日で100%置換完了

Bone Welding®
垂直に軽く圧力をかけながら超音波振動を加えるとポリ乳酸製ロッドの先端部だけが摩擦で発生される熱で溶解され、先端部の横向きの2つの開口部から骨空洞内に押し出され骨の微細な空洞の中に浸潤し骨に絡みつき、強固に結合した形になります。
左写真は模型で楕円形削られた穴で行っていますが、実際には骨の細かい不規則な空洞にポリ乳酸が密に圧入され絡みつき骨に強固に固定されます。
290日でポリ乳酸製のロッドは半分吸収され870日で100%吸収され骨に置き換わりジルコニアインプラント体と骨が強固に結合します。


抜歯直後の穴(抜歯窩)に非金属のジルコニア製のドリルで穴をあけているところ


ジルコニア製のドリルと同じ規格(=同じ大きさ) のジルコニアインプラントを埋入、植立


ポリ乳酸製ロッドを筒状のインプラント内に挿入し、軽い圧をかけながら 超音波振動を行うことによってポリ乳酸製ロッドの先端部のみが過熱され、ポリ乳酸製ロッドが溶解される。 ジルコニアインプラントの先端部の横向きの2つの開口部からポリ乳酸が押し出され骨の細かい不規則な空洞に密に圧入され骨に強固に固定されます。

Bone Wwlding®は医学的に認められており、また、歯科への応用のため数千回もの試験を行っております。
Bone Welding®のプロセスは通常3潤オ4秒かかります。ポリ乳酸が最初に溶解して流体にさせるまでの時間は約1秒です。

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図1:Z5m-40-10(左)及びNDm-40-10(右)の比較 赤色で違いを表示。

ポリ乳酸製ロッド上やインプラント体の筒内のソノトロード(インプラント体の内部の底の部分)からの摩擦熱で、インプラントの表面が、局所的に、短期間熱を帯びるようになります。
複数の試験で、最大47℃で1分間加熱させても、損傷しないことがわかっています。
今日まで、この局所的で、短期間の加熱による悪い影響は実証されていません。

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図2:BoneWeldingÓの原理左:初めにインプラント、右は、溶けたPLA及びアンカーで固定したインプラント溶解、応力、流体PLA間の相互作用は、画像の中央に示されています。
BoneWeldingÓアンカーf-固定はペリオテスト値や抜去力を増加させます。

ポリ乳酸製のロッドの生体適合性および分解
ポリ乳酸製のロッド(棒)は85%のL-乳酸と15%のD-乳酸で構成されています。L-乳酸は人の体内に、自然に存在する乳酸です。人の体内で最も頻繁にみられる乳酸塩は乳酸ナトリウムです。
これは主に骨格筋でよくみられます。毎時、0.7-1.3mmol(=0.07g)の乳酸塩が骨格筋、皮膚、超粘膜、血液細胞、腎臓、脳内で生成されています。
短期間の最大ストレス下(例えば、400メートルトラックを自転車で1000メートル指定の時間で走るなど)で血液中に35mmol・l-1の乳酸塩がみられた。
乳酸塩は体内で分解され、ピルビン酸(酸化)になり、肺から二酸化炭素として吐き出されます。

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図4:ポリ乳酸-化学構造と物理的特性

ヒトの体内でポリ乳酸製ロッドの分解の半減期は約290日です。
半減期は、ポリマーの鎖長およびメカニカルな堅牢性が半減します。
ポリ乳酸製ロッドは約3半減期後、又は870日後に完全に再吸収されます。
インプラントはポリ乳酸製ロッドの吸収と平行して、オッセオインテグレーションされます。
ポリ乳酸でのアンカー固定で、フィットするので、即時補綴治療が可能です。

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図5:ポリ乳酸の分解およびインプラントオッソインテグレーション

今回、日本から5人のジルコニアインプラントのヘビーユーザーの先生方が研修に招待されました。
左から影山康成先生、高橋伸二先生、重山洋一郎先生、本間憲章先生、Dr.Ralf Luettmann,私、ジョニー和田さん(Z-systems社)

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