2019.11.02
前回、状況証拠をそろえて、
歯根破折を診断していくと
掲載しました。
それは例えばこんな感じです。
患者さんは、
右下の歯が調子が悪い訴えられています。
右下第二小臼歯(写真真ん中)の
歯肉に膿の出口がありました。
部位的には、歯根の長さの
1/2くらいの位置です。
(複数個ではありませんが。)
レントゲンをみてみます。
明らかな破折は認めませんが、
根管治療がしてあり、
長い金属のスクリューが入っています。
歯根が割れていることを疑い、
歯周組織検査をします。
割れているならこの辺で深いはず。
どうでしょうか?
えいっ。
7~8mmくらい入りました。
これが一か所のみ深い歯周ポケットです。
状況証拠がそろった。
患者さんの自覚症状もある。
そうすると、
歯科医からこう言われることになるんです。
「この歯はたぶん割れているので
抜いた方が良いですよ。」って。
歯根が割れている=抜歯
というわけではありませんが、
良好な予後が見込めなければ
抜歯という選択肢が出てきても
おかしくはありません。
歯科医に今の状態や選択肢を
良く聞いて、自分が納得できる
治療方針を選んでいきましょう。
ちなみに、
上記の患者さんは、
抜歯することになりました。
抜いた歯は、
細菌感染が拡がっており、
かなりの悪臭がしていました。
そして抜いた歯をよく見てみると、
ちょうど、歯周ポケットが
深かった位置に一致して、
亀裂線が入っていました。